苦笑いの包囲網

久しぶりに「小説家になりたい」って事を馬鹿にされた。
別に誰にでも言っているわけでもないが、別に隠す事でもないんで、将来の事とかを聞かれたら、「小説家になりたい」って答えている。
そんなわけで先日、ゼミ(うちの大学では三回生から)の先生に自己紹介をしている時、就職の話が出たので、正直に答えた。
反応は、苦笑い。「小説家……ねぇ(苦笑)」こんな感じ。
まあ、虐げられる覚悟は出来ている。『小説家志望』が世の中でどのような目で見られるかぐらい、身にしみて分かっている。今回のような反応も、二度三度じゃない。
でも、思う。苦笑いを浮かべる彼らは、人生を真剣に考えた事があるのだろうか。
それはお前だろう、と言われる事もある。現実が見えてない、しっかり就職するのが一番、夢を見るのもいいけれどねぇ、云々。
だけどさ、好きでもない仕事を何十年、何十年だぜ。僕からしたら、今までの人生を二回繰り返すぐらいの期間、続けていくんだ。そんな人生で、本当に良いと思ってんの? 本気で、その何十年の価値を、可能性を考えてんの?
人は大抵、死を選ぶ権利を持っている。それでもなお、生きてんだ。せっかく生きてんだ。可能性が低いから、って、それで無難を選ぶ事こそ、愚だ。