それが、その人だった。

彼女としばらく距離置いたりして、色々考えていた。別れようか、なんて言葉も何回か言った。
事の次第は、簡単に言い表すと、彼女はかわいいし何より『いい子』で、自分より下の立場(≒後輩)としては申し分無い。だが、僕が恋人と言う存在に対してはやはり、僕が相手を成長させるだけでなく、相手によって僕も成長したいと言う思いがあったため、その思いを満たしてくれない彼女に対して不満を感じていた、という事だ。
だが、色々考えている中で、僕と言う存在の『意義』は、誰かを楽しませる事だと思った。誰かを楽しませたり、感動させたり、笑わせたり、ほんの少しでも良い方向へ誰かの心を揺らす事が、僕の生きる意味だ。そして今、一番心を揺らしたい相手が、彼女だった。
それだけで十分なのでは無いか。彼女が僕の恋人である意味は。
自分で書いたはずだった。成長なんてものは、自分次第だ。どこにでもその種は転がっている。それを拾う事が出来るか、蒔く事が出来るか、育ててやることが出来るか。問題はそこにある。
まあ、結局のところ、彼女とこれからもやっていこうと決心したわけです。これからもよろしく、僕の一番大事な人。