変。

いつからだろう。『変』と言われる事に喜びを見出したのは。
ずっと昔から、没個性の恐怖があった。平均点を取るぐらいなら、最低点を取った方が良かった。他人より上である事を望んだ事はない。ただ、他人と違えばよかった。僕が僕であると分かれば。
いつだったか、ガンダムのプラモデルが流行った。みんな、ガンダムを買った。僕はゲルググを買った。
中学生の時、親から時計をもらった。みんな、左腕に付けていた。僕は右腕につけた。僕は今も、時計を右腕につける。
美術の授業で鳥の彫刻を作った。みんな、頑張って作った。僕は、鳥の彫刻を乗せる台を、磨き続けた。結局鳥は完成せず、何も乗ってない台だけを提出した。
そんな風に生きてきて、ふと気付いて周りを見回した。僕は結局、平凡の中に埋もれていた。だから、抜け出さないといけない。
平凡の中に埋もれるのは怖い。
絶望するなら死ねばいい。死を選ぶ事は一つの生き方だ。でも、その選択すらも平凡な世の中において、意味など無い。

つまりそれが『創作』意欲。
たぶん僕にとって創作は、逃避だ。