葉桜。

歌野昌午「葉桜の季節に君を想うということ」を読む。
僕は作品を一気に読みきってしまいたいタイプなんで、これぐらい分厚い作品の場合、相当の暇がないと読みはじめない。
そう、それぐらい分厚いのだ、この作品。
それにも関わらず、騙しとおした。
このような仕掛けは、簡単に言えばショートショートにはよくある。でも、これほど長い作品で隠しとおすのは見た事が無い。
最後の方で『分かって』からは、「途中で読んだあのシーンはこういう意味かよ!」と、炸裂しっぱなし。うまくやられた、の笑いが止まらなかった。
こういう作品があるから、僕は作品を中断せずに一気に読みたいんだ。
どんでん返し以外の部分も、個人的に好みの内容だったので、かなり良かった。テンポがいいし、深いところは深い。節子のくだりがリアルに重くて辛かったけど、最後にはそれさえも炸裂。素晴らしい。