そう言えば試合期間中、宿で伊坂幸太郎ラッシュライフ』を読んだ。
面白いなぁ。そして凄い。奇跡的な構成ってのが全然大袈裟じゃない。パルプフィクションで感じたモヤモヤ感なんて一切無し。快感を感じるぐらいに、平行する物語がどんどん交差していく。
しかも平行していると思われた物語は実は……となって、そのひっくり返しが、物語性にダイレクトに繋がる。最後の章の気持ちよさと言ったらない。僕らが現実世界で越えられない壁を一歩で乗り越える。しかもその時点で一歩の裏にある物語を知っているものだから、もう泣きそうなぐらいに嬉しくて楽しい。
細かいところの伏線もやっぱり巧くて、もう感心しきりだった。綺麗なだけじゃなくて、ふっと笑ってしまうような伏線。
ただ、やっぱり複雑に絡み合う数個の話が重なっている小説だから、長い期間をかけて読む人や、小説を読みなれていない人には面倒くさいかも知れない。それ以外の人には自信を持ってお薦めしますけど!