SEKIDO

ビックコミックスピリッツ連載の『SEKIDO』が面白い。
のだけれど、どんどん掲載順が下がっていてヤバい! 面白いのに!
以下ネタバレあり。
『SEKIDO』は高校水泳を舞台にして、描くのは『天才と凡人』だ。主人公青山飛男は水泳に青春をかける熱血スイマー。遊びも女も放棄して、「将来のメシのタネにならないから無駄」な水泳に高校生活の全てを捧げていた。そんな飛男や水泳部を、周りの学生は「変態」と笑う。
ここに一つ、「楽に生きる学生」と「一つの事に青春をかける飛男」と言う構図が出来る。彼女が出来て遊びたくて水泳部をやめる元キャプテンはこの二つの間を移動した存在だ。飛男はそんな仲間の事を悔しく思いながらも、自分は水泳に打ち込む。
だが回が進んでゆき、現在の高校チャンピオンと合間見える事になる。高校チャンピオンは飛男と違い、遊びまくっている。水泳にかけると言う情熱があるわけではない。だがとある事情で飛男と対決する事になると、差は圧倒的だった。「才能が無いやつが努力する姿は格好悪い」と言い捨てる。
さらに、そのあたりからセキドと言う新入生がクローズアップされる。ハニワのような顔をしていて一言も喋らない無口な新入生だ。だが、飛男の敵討ちのために高校チャンピオンに挑むと、『世界が違う』泳ぎを見せる。
そんな天才達を目の前にして、飛男は『才能の壁』に屈して、水泳部をやめる……というようなストーリーになっている。(もちろんやめて終わり、じゃないよ。まだ続いてます。)
この間に描かれる『才能の壁』とそれに対する葛藤はなかなか見ごたえがある。『努力する凡人』と『才能の壁』を描いた漫画としては、やはりピンポン(のアクマ)が最高峰だと思うけれど、SEKIDOもかなり面白い。だいたい主人公じゃないキャラの名前がタイトルになってるってすげぇ。
(ただ最近になって徐々にその構図が崩れかけているのが気になる。ただ、展開によってはより『才能の壁』を象徴する事になるかも知れないのだけれど)