聞こえたのは君の歌声

昨日の夜はデートでした。
 
 
好きな人が居ます。
全てになるほど好きな人で、二回告白して二回ともフラれてます。
フラれて、もう1年以上経ちます。
彼女は会社の同期で、関係を悪くしたくはないし、もういい加減、吹っ切らないと、と思っています。
 
 
僕の事を慕ってくれる女の子が居ます。
良いコです。かわいいです。
昨日は、そのコとデートでした。
 
 
好きな人が居ます。
彼女とは、もう3ヶ月ぐらい会っていませんでした。
同じ会社ですが、場所が全然違うし、僕は食堂とかにも行かないので。
 
なのに昨日、もう吹っ切って次に進もうと思っている僕は、彼女と偶然に会いました。
  
朝、会社に向かう道。
あの角を曲がって、僕の目の前に。
あなたは現れて、おはようと言いました。
要はそれだけの事で、僕もおはようと返して、世間話をしながら会社に行きました。
  
 

昨日の夜はデートでした。
かわいい良いコとデートでした。
全てになるほど好きな人とは違う人と、デートでした。
今日の朝までは、僕はこのコの事を好きになれると思っていました。
 
ご飯食べてお酒飲んで、彼女が買って来てくれた抱え切れないほどの四国のお土産もらって。
話して、笑って、歩いて。
彼女をタクシーに乗せて、それを見送ってから、僕は一人で少し歩きました。
酒で少し浮ついた頭。目を瞑りました。
 
考えてるような、何も考えたような気分で上を向いて、目を開けました。
色んな人の顔が浮かんで、色んな思いが漂って。
無音の夜に楽譜。
 
 
聞こえたのは、君の歌声。
 
 
眠たいような、あなたの声。